天然記念物（てんねんきねんぶつ）

上平窪のシイノキ群（かみひらくぼのしいのきぐん）

地域（ちいき）：
いわき地域（いわきちいき）
市町村（しちょうそん）：
いわき市（いわきし）
カテゴリー：
天然記念物（てんねんきねんぶつ）

紹介説明（しょうかいせつめい）

夏井川(なついがわ)中流左岸の河岸段丘(かがんだんきゅう)【川岸に見られる階段状の地形】の南はしに生育(せいいく)するシイノキ群で、木の種類はスダジイです。この地域ではあちこちにスダジイがのこっており、過去の自然植生(しぜんしょくせい)【自然にできる植物の集団】をつきとめる資料となっています。
　このシイノキ群は、上平窪(かみひらくぼ)の墓地(ぼち)周辺にある巨木(きょぼく)4本で、大きなものは木の高さ20ｍ、幹まわり6.5ｍ、小さいものでも木の高さ15ｍ、幹まわり2.5ｍあります。まわりは果樹園(かじゅえん)で土地に養分(ようぶん)があり、木のいきおいはさかんです。木の下にはヤブツバキ・アオキ・シロダモの木々がのび、下草(したくさ)にはキズタ・テイカカズラ・ヤブコウジが生え、いわき市で見られる常緑広葉樹林(じょうりょくこうようじゅりん)のおもな植物はすべてそろっています。
　スダジイは南相馬市・富岡町でも見られますが、いずれも海岸に近い場所にあります。この木々は、分布(ぶんぷ)の最前線(さいぜんせん)に近い内陸部奥(ないりくぶおく)にあり、またスダジイも大木であることが大きな特ちょうです。