文化・伝統 相双地域アイコン

文化財(ぶんかざい)

大聖寺境内文化財群(だいしょうじけいだいぶんかざいぐん)

  • 地域(ちいき)

    相双地域(そうそうちいき)
  • 市町村(しちょうそん)

    浪江町(なみえまち)
  • カテゴリー:

    文化財(ぶんかざい)

紹介説明(しょうかいせつめい)

大聖寺(だいしょうじ)は、浪江町北幾世橋地区(きたきよはしちく)にある真言宗(しんごんしゅう)のお寺です。その境内(けいだい)には、数多くの文化財(ぶんかざい)が集中しています。そもそも、この境内は、1701年に第五代の中村藩主(なかむらはんしゅ)であった相馬昌胤(そうままさたね)が、藩主(はんしゅ)の座(ざ)をしりぞいた後、北原御殿(きたはらごてん)という隠居(いんきょ)するための場所をもうけた所です。現在の山門(さんもん)は、当時御殿(ごてん)の正門だったものです。その後一時、興仁寺(こうにんじ)という寺がおかれましたが、相馬市にうつり、その後、大聖寺がこの地にうつりました。
 現在、大聖寺の境内にある主な文化財(ぶんかざい)は次の通りです。

(1) 国認定重要美術品(くににんていじゅうようびじゅつひん)【工芸(こうげい)】「大聖寺銅鐘(だいしょうじどうしょう)」

 相馬昌胤が、北原御殿に住んでいた宝永(ほうえい)4(1707)年、当時は北幾世橋字万開にあった興仁寺の梵鐘(ぼんしょう)【つり鐘(がね)】としてつくらせたものです。その後、興仁寺が御殿の跡地(あとち)にうつると、梵鐘も現在地にうつり、明治4(1871)に興仁寺が相馬市へうつった後は、大聖寺に引きつがれています。寺の近くの北幾世橋字内匠町(ばんじょうまち)でつくられたと伝えられており、地域の人々からとても親しまれている梵鐘です。
 第2次世界大戦(だいにじせかいたいせん)の時に、ほとんどの梵鐘は軍事用として、さし出さなければならなくなりましたが、この梵鐘は、美術的な価値(かち)が高いと評価(ひょうか)され、寺に残すことができました。

(2) 県指定重要文化財(けんしていじゅうようぶんかざい)【建造物】「旧渡部家住宅(きゅうわたなべけじゅうたく)」

 幾世橋地区(きよはしちく)にあったものを、昭和47年に復元移築(ふくげんいちく)したものです。もともとこの地方の在郷給人(ざいごうきゅうじん)【農村で領地(りょうち)と屋敷(やしき)を与えられた藩士(はんし)】の住まいで、文化8(1811)年に建てられたものであることが分かっています。

(3) 県指定天然記念物(けんしていてんねんきねんぶつ)「大聖寺のアカガシ樹群(だいしょうじのあかがしじゅぐん)」

 アカガシは、暖温帯山地(だんおんたいさんち)【あたたかく山の多い地】の常緑広葉樹(じょうりょくこうようじゅ)【葉が広く平らな形で、一年中緑の木】です。この樹群(じゅぐん)【木の集まり】は、アカガシが自然に分布(ぶんぷ)するもっとも北の場所に近いものです。寺の南から西にかけての斜面(しゃめん)に密生(みっせい)しています。直径180cmをこえるような巨樹(きょじゅ)をふくむ大木が、一ヵ所にこれほど多く群生(ぐんせい)しているのは大変貴重(きちょう)であるといわれています。

(4) 県指定重要文化財(けんしていじゅうようぶんかざい)【絵画(かいが)】「紙本着色両界種子曼茶羅(しほんちゃくしょくりょうかいしゅじまんだら)」

 曼荼羅(まんだら)は、仏教(ぶっきょう)において、大日如来(だいにちにょらい)を中心とする宇宙(うちゅう)の真実(しんじつ)を表した図のことをいいます。紙本着色(しほんちゃくしょく)というのは、紙に色をつけてかかれているということであり、両界(りょうかい)というのは、胎蔵界(たいぞうかい)と金剛界(こんごうかい)の二つの図が対(つい)になっていることをしめします。この二つの図は、別な掛け物(かけもの)になっており、それぞれに数多くの仏(ほとけ)が、種子(しゅじ)【サンスクリット語による仏の名の頭文字(かしらもじ)】で表されています。
 曼荼羅の余白(よはく)に書かれていることから、文明(ぶんめい)6(1474)年に現在の小高区飯崎(はんさき)にあった安養寺(あんようじ)【現在は鹿島区に移転(いてん)】において、下野国(しもつけのくに)【現在の栃木県】からやって来た旅の僧(そう)が作成したものであることが分かります。なお、曼荼羅が安養寺から大聖寺にうつされたのは、相馬昌胤が北原御殿に住んでいたころであると推定(すいてい)されます。

 このほか、木造渡海文殊尊像(もくぞうとかいもんじゅそんぞう)【付属文書付(ふぞくぶんしょつき)】、木造大日如来座像(もくぞうだいにょらいざぞう)、不動明王像(ふどうみょうおうぞう)、訶梨帝母像(かりていもぞう)【いずれも町の指定重要文化財(していじゅうようぶんかざい)】などの文化財が集中しています。

資料・他(しりょう・ほか)

『浪江町史』

詳しく調べるために(くわしくしらべるために)

<詳しい情報の入手先>
・大聖寺

<直接現地へ行くまでの交通案内>
大聖寺
・JR常磐線「浪江駅」より東に約4キロ

その他(そのほか)

  • 国認定重要美術品:大聖寺銅鐘
  • 県指定重要文化財:旧渡部家住宅、紙本着色両界種子曼茶羅
  • 県指定天然記念物:大聖寺のアカガシ樹群
  • 町指定重要文化財:木造渡海文殊尊像(付属文書付)、木造大日如来座像、不動明王像、訶梨帝母像

関連ホームページ(かんれんホームページ)

ムービー

銅鐘

アカガシ樹群

曼荼羅

関係記事(かんけいきじ)

※関連(かんれん)する項目(こうもく)を表示(ひょうじ)しています。
クリックするとその項目のページへジャンプします。

検索結果へ戻る(けんさくけっかへもどる)